TMNS_RBTからの提案
システムインテグレータ(SI)とは?
ロボットシステムの構築を専門的に行い、条件の異なる、さまざまな生産ラインに最適なロボットを導入し、最大限の効果が得られるよう、自動化システムの設計や構築をします。製造現場で実際に稼働させ、成果を十分に上げるためには次の点が重要になります。
- ロボットを導入したい現場に合ったロボットの選定
- 作業に必要なハンド、センサ類等の追加機器の選定とロボットへの組み込み
- 製造ラインの見直し(ロボット導入に伴い、最適な動線の確保等)
- 安全性の確保(人とロボットが作業するうえでの安全性を確保)
以上の点をふまえてお客様ごとの課題を可視化し、最適なロボットシステムをロボットメーカや専門商社等の専門家と意見を交換しながら設計し、導入や運用をサポートする事が我々ロボットSIerの役割です。
産業用ロボットは基本的に、単体購入しただけでは動かすことができません。ロボットシステムを構築、運用することが必要となります。
ロボットを導入するメリット、デメリット
協働ロボットに限らず、産業用ロボットを導入する際には、メリットだけでなくデメリットがある事もご理解下さい。
・ロボットを導入するメリット
コスト削減
生産性向上
品質向上(品質安定)
高付加価値化
・ロボットを導入するデメリット
ロボットを扱える人材が必要
思わぬトラブルには対応できない
繊細な作業は人間が行う方が良い場合もある
機械を装備する広範囲な場所の確保が必要
ロボット導入後に生じる「想定外」
ロボットを導入した後で、想定外のトラブルを抱える工場もあります。
・ロボットを現場で使いこなせる人材がいないロボットの日々の操作は現場の社員が行うため、これまで自動化設備がなかった分野の場合、機械操作自体に苦手意識を持っていることがあります。導入を検討すると同時に担当となる社員に対してロボットの研修会や講習への参加が必要となります。 中小企業の場合、ロボットの専門的技術を持つ社員が必ずいるとは限らず、調整のためにロボットメーカや商社、システムインテグレータに相談しなければならない事が多く生じることがあります。特に運用開始時には技術的にわからない点が多いため、稼働率が上がらない事があるかもしれません。ロボット導入のパートナーとなるサポート企業と、相談のしやすい関係が構築できるかどうかも重要です。 また、ロボットを導入した事により社員の中から省人化に伴う失職や配置転換への不安や心配、不満が出てくる事があります。ロボット導入は経営者や一部門だけで推し進めるものでなく、社員の理解が必要不可欠となります。 |
・ロボットを導入したせいで、作業効率が下がったロボットを導入するにあたり、工場のレイアウトや動線の変更による影響から、工程間にあったこれまでの連携が崩れ、かえって人手や手間が必要となり、作業効率が下がることがあります。付帯作業を増やさないためには、ライン構想段階でロボットの設置場所、運搬、在庫スペース等の確保など、製造工程全体に及ぼす影響を事前に十分検討する必要があります。 |
・想定していた作業ができず、要求精度に達しないロボット導入後に前後工程との連携や安定稼働のためのテスト、調整作業を繰り返し行います。このような導入後のトラブルを未然に防ぐためには、ロボット選定の段階からロボットメーカや商社、システムインテグレータ等サポート企業との連携を密にし、しっかりと情報共有をすることが重要となります。 |
・導入した効果を最大限に発揮できていないロボットの導入は、実際に導入される製造ラインだけでなく、営業、既存システムとの連携等、企業のさまざまな分野に影響を与えるため、導入の是非を一部の社員で行うのでなく全社で取り組む一大事業と捉え、ロボット導入への理解を深めることが不可欠です。そのためには、部門を超えた意見交換や協力が必要となります。 特に、前後工程との連携は重要です。連携がうまくいかずに生産ラインが停滞したり、不良が増えたりすることがあります。結果として人の手が必要となり、省人化、省力化を目的として導入したはずのロボットが手間を増やす結果となってしまうため、必ず製造工程全体の流れを把握し、前後工程との連携をしっかりと確認しておく必要があります。 |
・調整に時間がかかりすぎる既存ラインの一部にロボットを導入すると、事前に想定したシミュレーション通りに製品が流れないことがよくあります。前後の工程も含め、問題なくラインが流れるようにするには、ロボットの設置後に現場で調整をする必要があります。実際に製品を流して行うため、設置環境やラインの状況に左右され、現場での調整には時間がかかることも考えられます。あらかじめ、余裕を持ったスケジュールを立てて取り組むようにしましょう。 |
・検査工程をロボット化した結果、コストが上がるこれまで目視により行っていた検査工程をロボットに変更すると、かえって検査工程が増え、コストが上がる事があります。人的ミスの減少には直結しますが、検査精度を上げるために検査工程が増える事が原因です。人による目視や手触りなどの方が効率、精度ともに高い検査を実施できる場合、また人の作業をすべてロボットで置き換えようとするとコストが高くなる場合があるので、必ず事前に検討し、導入の是非を決めましょう。 |